森は海の恋人 アムール川からオホーツク海へ

森は海の恋人。
これは、気仙沼の牡蠣養殖、畠山さんがおっしゃっている言葉。
そういえば、植樹のお手伝いに行ったっけなぁ。今頃成長しているかな?

で、さっき北大の低温科学研究所准教授白岩孝行さんがNHKの視点・論点でこんな話をしていた。

オホーツク海の豊富な海洋資源の源は、実は遠くモンゴルを流れているアムール川なのだということです。
理屈はこう。

  • オホーツク海の特徴は、魚などのエサとなる海洋プランクトンの豊富さにある。
  • 海洋プランクトンは、成長要因として鉄分が必須であるが、通常鉄分は海水中の塩分と結合して沈殿してしまい、海水中には鉄分はほとんど溶けていない。
  • また、鉄分はふつう山の土中に含まれているものが、森林に降る雨を伝って、川へ流れ、川から海へ行く。
  • ところで、アムール川は世界最大級の大河であり、モンゴルから中国、ロシアと渡っている。
    途中、川の流域には多くの湿地帯が存在する。湿地帯があることで川の水の酸素濃度が低下する為、代わりに鉄分が粒子として存在せずに川水中に溶け込むようになるそうだ。
    多くの湿地帯が川の付近に存在することから、アムール川には多くの鉄分が溶存しており、約1ヶ月かけてオホーツク海へたどり着く。

    ここでオホーツク海沿岸の気候が作用する。
    オホーツク海沿岸に吹き込む冷たい空気により、流氷ができるが、流氷の生成により塩分が濃い水が流氷の下部に生成し、その重たい海水が海の底に沈むことにより、海水をかき混ぜる現象が起こる。
    これにより、海底に溜まった鉄分が海水面に巻き上がることで、オホーツク海近辺では海水中に鉄分が含まれる状態が出来上がる。

    この川の湿地帯と、オホーツク海沿岸の気候と地形(遠浅なので対流が起こりやすいのか?)という好条件が組み合わさって、恵まれた漁場となるのであると初めて知った。

    でも、それが危機的状況なのだということである。

    まず、湿地帯がモンゴルや中国の都市化により干拓されてしまっていること。また中国で化学工場が爆発した事故があった際にも起こったこととして、爆発により流れ出したベンゼンなどの化学物質がアムール川を汚染したりした。
    そして、都市化による森林伐採により、また森林火災等により山の森が無くなることで雨水の蓄積ができず、鉄分が川に流入することが少なくなってきている。
    さらに、オホーツク海周辺の温暖化により流氷生成が減少しているということ。

    これら問題の多くはオホーツク海の海の恵みに依存していない遠い陸地に起こっている事柄なので、当事国に意識が生まれないことは当然であろう。
    そこで、現在日本とロシアとのあいだでコンソーシアムなどを設置して、環境保全問題の情報共有をしていっているそうだ。
    ロシアとの北方四島の共同開発も、このあたりの問題に踏み込んでいけば、改善されるのではないかと期待します。

    世の中、つながっている。


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